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高い免疫機能と抗がん作用を持つ多糖類「β-グルカン」

β-グルカンは、キノコや酵母に多く含まれる多糖類の一種で、食物繊維の仲間です。免疫力を高め、ガンに対する予防改善効果があるとして、発見から今日に至るまで研究が続けられ、β-グルカンの効果が少しずつ明らかとなっています。β-グルカンは、キノコや酵母などの細胞壁に存在する成分で、摂取しても胃腸で消化・分解されず、腸内の免疫担当細胞に働きかけます。

β-グルカンは免疫力を高め、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高めます。 β-グルカンは人間の体内で、免疫機能をつかさどるマクロファージやナチュラ ルキラー細胞、白血球のT細胞、B細胞の働きを活性化したり、免疫の関連物質であるインターフェロンの生成を促す作用があります。免疫にかかわる因子を活性化することで免疫力を高めます。免疫力が低いと、体外から入ってくるウイルスに対抗することができず、風邪やインフルエンザ、生活習慣病を引き起こし、病気を長引かせます。
このように、β-グルカンは免疫に働きかけるので、β-グルカンの摂取による風邪などの予防や、アレルギー症状を予防・改善する効果も期待されています。

ガン発生の具体的なメカニズムはまだ解明されていませんが、たばこや食事などの要因から、細胞が突然ガン化することで引き起こされると考えられています。
β-グルカンは、ガン細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞やマクロファージなどの免疫細胞を活性化させる働きがあり、腫瘍抑制効果が認められています。β-グルカンは、一般の抗ガン剤と違い、自身の免疫応答を高めることによって間接的にガンを攻撃します。

β-グルカンは、不溶性食物繊維の一種で、血中のコレステロール値を下げる働きがあります。不溶性食物繊維は、水分を吸収して余分なものをからめとり、体外に排出され、便秘解消に有効だとされています。水溶性食物繊維は粘り気が強く、ゆっくりと消化されるため、血糖値の急激な上昇が抑えられます。
また、β-グルカンは消化されることなく腸まで届くため、コレステロールを吸着して体外へ排泄する働きがあります。その結果、体内のコレステロール値上昇を抑える効果があります。
血中のコレステロール値が高くなると、血管にコブができ、血管をふさぎ、血液の流れが悪くなります。その結果、動脈硬化に至ります。また、コレステロールが増えすぎると、脳卒中や高血圧を進行させてしまう原因にもなります。
コレステロール値を正常に保つには、悪玉(LDL)コレステロールを減少させ、善玉(HDL)コレステロールを増加させることが大切です。悪玉(LDL)コレステロールの増加の原因は肉やバターなどの動物性脂肪の多い食品の過剰摂取が一因です。低脂肪の食べものや、食物繊維の多い野菜類などを食べてコレステロールが上昇しないようにすることが大切です。

食物繊維の一種であるβ-グルカンは腸内に存在する異物などの体内の不要物質を排除して、腸内環境を整える働きがあります。便秘の予防や改善に効果を期待できます。

マルチなアミノ酸「アルギニン」

アルギニンは老若男女を問わず、幅広い効果が期待されており、欠かすことのできない栄養素の一つです。

アルギニンは非必須アミノ酸ですが体内で作り出せる量は少なく、不足した分を食事で補う必要があるため、準必須アミノ酸、条件付きのアミノ酸と呼ばれることもあります。

特に幼児は体内で作り出す量が十分ではないため、食事からアルギニンを摂る必要があります。

アルギニンは成長ホルモンの分泌を促す働きがあります。脳下垂体から分泌される成長ホルモンは病気にかかりにくい体を作ったり、傷の治りをスムーズにしたりする効果が期待されています。
また成長ホルモンには食欲を抑える働きがあると考えられ、食欲抑制剤にもアルギニンが加えられています。さらに脂肪の代謝を促して筋肉を強化する効果も期待でき、引き締まったプロポーション作りの役に立ちます。

アルギニンは私たちの体内で、免疫細胞のマクロファージが活性化するよう働きかけます。マクロファージは、体に侵入してきた細菌やウイルスなどを食べてしまう白血球の一種です。マクロファージの働きが活性化すると、私たちの免疫力アップにもつながり、病気に負けない強い体を作り出すことが期待できます。
また、手術後の回復を促し、感染症合併の発生率を下げるものとして、アルギニンが加えられた輸液が使用されています。

運動で負荷を与えたラットにアルギニンを与えたところ、血中アンモニア濃度が低下したという実験結果があります。アンモニアは運動したときに感じる疲労原因の一つです。アルギニンによりアンモニアの増加が抑えられ、疲労回復をサポートする働きが期待されます。

アルギニンは体内で一酸化窒素を作り出します。一酸化窒素は血管を拡張させるため、冷え症、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など生活習慣病の予防効果が期待されています。

肌は表面から角質層、表皮層、真皮層に分かれており「肌が荒れている」というとき、ほとんどの場合は角質層のアミノ酸と水分不足が原因だといわれています。そうなると、肌のバリア機能が低下してうるおいを失い、やがてひび割れなど皮膚のトラブルが生じる可能性があります。アルギニンには角質層を保湿する効果があり、アトピー性皮膚炎や老化による乾燥もアルギニン入りのクリームで改善がみられたという報告があります。

集中力を強めるアミノ酸「リジン」

リジンは脳を働かせる栄養素として、疲労回復や集中力を高めるのに効果があると期待されています。
筋肉や各内臓、脳のエネルギー源となるブドウ糖が不足すると、疲労を感じたり、イライラして集中力が続かなくなったりします。このときリジンは、吸収したブドウ糖がエネルギーに変わるのをスムーズにする働きがあるといわれています。

リジンは体の成長や組織の修復に関わる抗体やホルモン、酵素などを作るための材料となります。他にも、成長ホルモンの分泌を促すなど重要な働きを担っています。カルシウムの吸収もサポートしてくれるため、成長に欠かすことのできない栄養素の一つです。

肝臓はアルコールなどの解毒や老廃物の排泄以外にも、エネルギーを産出して貯蔵するなど生命維持の重要な働きをする臓器の一つです。リジンはこのような肝機能をサポートするといわれています。

リジンは髪や肌を構成するタンパク質のケラチンを作る働きがあり、ケラチンの材料となるシスチン(高野豆腐、麩、かつお節、湯葉などに多い)と一緒に摂ると育毛効果が期待できるといわれています。

肌は表面から角質層、表皮層、真皮層に分かれており「肌が荒れている」というとき、ほとんどの場合は角質層のアミノ酸と水分不足が原因だといわれています。そうなると、肌のバリア機能が低下してうるおいを失い、やがてひび割れなど皮膚のトラブルが生じる可能性があります。アルギニンには角質層を保湿する効果があり、アトピー性皮膚炎や老化による乾燥もアルギニン入りのクリームで改善がみられたという報告があります。

食欲抑制効果のある「ヒスチジン」

ヒスチジンは、発育に不可欠なアミノ酸です。大人は体内で合成することができますが、子どもは合成できないため、魚や肉、乳製品などの食品からヒスチジンを摂取することで、成長促進の効果を得ることができます。

ヒスチジンは、交感神経を刺激するヒスタミンに変換されることにより、神経機能に働きかけ、脂肪細胞において交感神経を刺激することで脂肪燃焼を促進する効果があるとされています。また、食欲を抑制する効果もあるとされ、近年ではヒスチジンには2つの肥満防止作用があることが明らかとなり、ダイエット効果が期待されています。

最近の研究では、脳梗塞などの急性期の脳虚血疾患による脳組織の死滅が抑制される可能性が動物実験により明らかになっています。

ヒスチジンは、体内で交感神経を刺激するヒスタミンに変換され、外傷や薬などの刺激により血管を拡張する作用があります。血管が拡張されることで、慢性関節炎の痛みやストレスをやわらげます。

脳機能を高める「フェニルアラニン」

フェニルアラニンは脳と神経細胞の間で信号を伝達する役割を持つ化学物質の神経伝達物質になる必須アミノ酸です。体内でノルアドレナリンとドーパミンに転換され、神経伝達物質として働きます。気分の落ち込みや無気力を緩和し、精神を高揚させるので、うつ症状の緩和にも効果があるとされています。また、記憶力を向上させる作用があるとされています。

フェニルアラニンには、痛みを抑える効果があり、人工的に合成されたDL-フェニルアラニンは、鎮静剤として医療現場で利用されています。外傷、骨関節炎、慢性関節リウマチ、腰痛、片頭痛、神経痛、筋肉の痙攣、手術後の痛みなど慢性的な痛みを軽減させます。脳内でモルヒネのような働きをするエンドルフィン[※9]の産出と活性を、正常なレベルにまで高めて痛みを抑える効果があります。そして習慣性、毒性がなく、長期間使用しても効果が低下することもありません。フェニルアラニンは繰り返し使うとより効果的に痛みを軽減できるという特徴を持っています。また、抗うつ効果があるため、アスピリンなどの一般的な鎮痛剤が効かない人にも効く場合が多いといわれています。

白斑(はくはん)の治療に、フェニルアラニンの経口摂取と紫外線A波の照射、あるいはフェニルアラニンの外用と紫外線A波の照射との組み合わせで有効性があるとされています。

筋肉を強化する「ロイシン」

アミノ酸の中でも特にロイシンは、体に筋肉を強化して、筋肉を失わせないようにする性質があります。また、インスリンの分泌を増加させる作用があるため、エネルギーとしてブドウ糖を筋肉の細胞に取り込むのを助けます。インスリンの分泌を促すことで、運動時の持久力や瞬発力を高めたり、運動後の筋肉を成長・修復させたり、強化する効果があります。

肝臓は、消化器官で取り込んだ栄養素を全身に送り込む代謝活動や、アルコールや薬、細胞から集められた老廃物などの有害な物質の分解、体を動かすためのエネルギー源となるグリコーゲンの代謝・貯蓄などの様々な機能を担っています。エネルギーを大量に産生しては消費を繰り返しているため、肝臓には過重な負担がかかっています。肝臓が疲労して代謝が鈍ると、肝機能が低下してしまい、全身の疲れにつながる可能性があります。
したがって、ロイシンを摂取することで、肝機能の向上と身体の疲労回復が期待できます。

ストレスを緩和する効果があります。

ロイシンは、たんぱく質の構成に深く関わっているため、ロイシンを豊富に含む食材を積極的に食べると毛髪の健康状態の改善や育毛効果が期待できます。

肝機能を改善し、元気を作り出す「アラニン」

アラニンにはアルコール代謝を促し、二日酔いを改善する効果があるといわれています。
たくさんアルコールを与えて、アルコール性肝炎に近い状態にしたラットは、アラニンとグルタミンが入った水をすすんで欲しがるということがわかりました。このことから、肝機能維持にはアラニンとグルタミンが必要である可能性が示唆されました。

アラニンは長時間の運動にも必要な成分です。運動時にはグルコース(ブドウ糖)を分解してエネルギーを生じますが、この際、アラニンも体内で生成されます。エネルギーを生み出す過程でつくられたアラニンは、その後肝臓へ移動し、再び、エネルギー源となるグルコースをつくるために利用されます。アラニンを摂取することで、運動時に必要なエネルギー源を持続的に供給できるようになり、長時間の運動が可能となります。

アラニンは肌の角質に存在し肌の水分を保つ天然保湿成分(NMF)の成分として、化粧品にも配合されています。
肌は表面から厚さ約0.01mmの角質層、約0.1mmの表皮層、2~3mmの真皮層に分かれます。肌が乾燥している状態とは、角質層が水分を保っていない状態のことを指します。わずか0.01mmの薄い角質層がウイルスや細菌などの異物から体を守り、肌のダメージを抑えます。その上、肌の水分が逃げないように水分を保持してくれます。

睡眠効果を高め、美肌効果のある「グリシン」

グリシンは血管を拡張させ、表面体温の上昇を促すことで体内の熱を放出し、体の中心温度を下げます。体は眠りに入ろうとするとき、自然と体の内部の温度を下げるので、グリシンは自然な睡眠を導く効果があります。

グリシンは、皮膚のコラーゲンを生成するアミノ酸のうち約3分の1を占めています。
肌は表面から厚さ約0.01mmの角質層、約0.1mmの表皮層、2~3mmの真皮層に分かれています。コラーゲンは肌の真皮層の大部分を占めており、肌の弾力を支える重要な成分です。グリシンは、そのコラーゲンを構成しているため、肌のハリや弾力を保つのに必要な成分といえます。

グリシンは、脳内神経伝達物質であるセロトニンを増加させることが報告されています。セロトニンは脳内で不足するとうつ症状を引き起こすことが知られています。グリシンがセロトニンを増加させることにより、抗うつ作用を持つと報告されています。

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